「よし。行くか。」 「ん。」 私は、走れない。 走ったら、思い出してしまう。 思い出したらもう そこからは 抜け出せない。 そんな感覚に襲われる。 「ここでいっか。」 新緑が鮮やかで 風が爽やかな今、 木の下は涼むのに最適な場所だ。 そこに座ったのが 私を変える 出会いとは知らずに。