隣に座って良いか聞いたら
良いっていうから
即答されたのに少しとまどったけれど
さんきゅ、と呟いて
嬉しさ半分で隣の席に座る。
それから何分間か、ずっと沈黙だった。
だけど
すごく安心する雰囲気だった。
なぜか山本の側にいると
素が出せてしまうから。
そういえば…
「なあ、山本。」
名前を呼んで見ると、山本は
なぜか目を丸くしてこっちを見ていた。
な、なんかしたか俺。
「名前。」
名前?ああ…そっか。初めて呼ぶもんな。
俺しか名前、言ってなかったしな。
「だってクラス一緒だろ」
山本が、そっか、と頷く。
俺がいま言いたいのは、な。
「山本、最近笑うようになった。」