それから、体育が終わるまで私は
ずっと上の空だった。



着替えを終えて廊下に出ると
まるでさっき泣いたのは分からないほど
普通の顔をして私を待っていた。


だから思わず聞いてしまったんだ。



「何か、あった?」




それに、純和が必死に否定するのを見て
悔しくなった。

意地悪な問いかけだった。


「じゃあ、さっきなんで泣いてたの?」


「あ…」




見られた、とでも言いたそうな目。

それから



「心配かけたくないとか、思ってるでしょ。」



話してほしい。正直に。






「話して。」