「純和」
「あ、りっちゃん!」
体育が終わって
りっちゃんが着替えて戻ってきた。
だけど、りっちゃんはどこか
浮かない顔をしてる。
「ねぇ純和。何があったの?」
「…え…あ、いや、だっ、大丈夫!」
突然の問いに、また言葉を詰まらせた。
りっちゃんは切なそうな顔をした。
「じゃあさ、
なんであんなに泣いてたの?」
「あ…」
見られてたんだ。
だめだなあ、私。
りっちゃんにだけは
心配かけたくなかったのに。
「今さ、心配かけたくない
って考えたでしょ?」
りっちゃんがふふっと笑う。
「純和。頼ってよ。
心配するのは当たり前。
大切な友達なんだから。」
私の手を握って
梨衣が、真っ直ぐ目を見て
言ってくる。