「だりぃな…」


誰も聞いていない独り言を呟く。



「サボるか。」



どうせ今日はマラソンだ。
そろそろ汗ばむ季節だというのに
なぜ走るのか理解できない。


サッカーだったらまあ…
やらないこともないけど。




一応体操着に着替えて
いつもの場所に向かう。

だけど、今日は先客がいた。



あ…山本…。



気づかれないようにそっと歩き
山本が座っている場所と反対側に
幹を挟んで座る。





一瞬 見えてしまった。

寂しそうな 君の顔が。