あの日以来


滝くんの悪い噂は消えて
むしろファンクラブなるものが
立ってしまった。



「よ、山本。」


「…っ…たき、くん。」



「そんなびっくりしなくても」




違うよ。

嬉しかったんだよ、滝くん。



好きな人に話しかけられるのは

幸せ過ぎることなんだよ。




「滝くん、良かったね。」


「ん?」



振り向く仕草にきゅんとする。




「ほら、ファンクラブ、でき…」

「山本は?」



滝くんに、話を遮られる。