さっき踏みつけたはなこさんが、店長らしく私を監視している。

「ぶさいく猫」

はなこさんは目を細めて、私をじとっと睨みつけた。

やっぱりその顔も不細工で、ついつい私は笑ってしまった。

「ハーブティだけど、大丈夫?」

いつの間にか私の横に副店長さんが立っていた。

「大丈夫ですよ。大好きです」

はなこさんを見ていた笑顔をそのまま副店長さんにもつい向けてしまった。

「分かった。じゃ待っててね」

副店長さんはそれ以上の笑顔を私に向けて、またドタバタと奥に引っ込んだ。


……あれ?


人に笑顔を見せるなんて、私らしくない。

やっぱりおかしい、ここに来てから。