花子さんが経営する雑貨屋さん??


今日はとにかくあの場所から逃げ出したくて、無我夢中で走った。

本気の走りを知り合いに見られたくなくて、人通りのない狭い路地を選んだ。

実は、高校二年にして始めての道。


何の面白みもない、私には、よくあること。



こんなところに雑貨屋さんがあるなんて。

入ってみようか。

いや、ずぶ濡れだし、第一初めてのお店に入る勇気って結構必要だったりする。


ムリムリ。私なんかに出来っこない。


浮かれた心を無理やり押し込めて、私はゆっくりと視線を通りへと戻した。



すると、足元を何か毛の塊がゆっくりと横切った。