「お前しかいねえだろ? こんな力を持つ地球人は」

「ただ飛べるだけの力なんでしょ!?」

「誰がそんなこと言った?」

「そんな……こんな恐ろしい力いらない!」

「何を今更?」

フレンは丹精な顔を少し崩して、蒼をぐっと睨みつけた。



「お前はお前の意思で指輪をはめた。それは事実だろ?」



「でも私人殺しなんて…こんな恐ろしい力!」

「は? 人を殺す力なんてねーよ」


ペタンと座り込むあおいの横に、フレンは「やれやれ」と腰を下ろした。