「火に焼けて丸焦げになっちゃえばいいのに!」





「ぎゃああああっ!!!!」





男の悲鳴に驚いて開けた蒼の瞳に、目の前の男が炎に包まれがき苦しむ姿が写し出される。






「あ……う」


後ろにいた男が動揺して力を弱めた瞬間、蒼はするりと男の手を解き、勢いよく空高く飛び上がった。


「ちっ、くそっ!」


我に返った男が、蒼を追いかける。

蒼はただ、無我夢中で逃げるしかない。