俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「今、みっつんと一緒なんだけどさ、一人でもう帰っちゃったにゃ?」

「あ…えっと…今日…監督いなくて練習休みで…」


適当な言い訳が考えるより先に口からこぼれた。


「………ふ~ん…」

受話器の奥から、カキーンと爽快なバットの音が聞こえた。

歓声をあげるソフト部員たちと監督の声も、リアルに蒼の耳に入った。


「………」

「………」


嘘がすぐにバレて、長い沈黙が続いた。



「…………まだ怒ってるにゃ?」


「えっ」