「もう…朝のフレンの裸が…まだ目に焼き付いちゃってるよ!」 蒼はふわふわ空に浮かびながら、火照る頬を両手に抱きかかえた。 「こんな気持ちじゃ…けーくんに会えないじゃない!」 せっかく啓太から声を掛けてくれたのに。 「最悪だよ!!」 そんな蒼のポケットが小さく小刻みに揺れた。 携帯の着信には「ちづる」の名前が載っていた。 「ちょっとお、もしもし?」 「…あ……えっと…」 そういえばいつも一緒に帰る千鶴と美津子に何も言わずに飛び出した。