絡まる視線を振りほどくように、小走りに校門を目指す。 サッカーグラウンドの真横を通過するときに蒼は何故か嫌な予感がした。 「あお?」 その声に金縛りになったのは言うまでもない。 「まだ練習の時間だろ?」 こんなときにと、蒼は目を閉じる。 「部活早上がりしたのか? 体調でも悪いのか?」 背後からの質問に、蒼はただ首を横に振った。