「よくやった」 声も楽器を奏でたように滑らかだ。 「お前がこの指輪を解放してくれたんだな?」 蒼は首をやっと傾けることしかできない。 「……ちっ」 青年は蒼の頭上をくるり一回転した。 「とっ、とっ、とっ!」 「?」 「飛んでる!!!」 やっと声を搾り出して、蒼は叫んだ。