……蒼は、恐る恐る目を開けた。 辺りを見渡す。 特に何も変わった様子はない。 体をあちこち触ってみる。怪我はない。 左手の薬指。 指輪はなくなっていたが、その代わり、指輪があった部分がくっきりと黒く焦げている。 焦げた部分をもっとよく見ようと空にかざしたとき、 左手の指の隙間から 空の青色に浮かぶ黒い影が見えた。