俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

女の子もつられて空を見上げた。

真上にある太陽が真っ白に輝いて、暑いくらいの日差しが降り注いでいた。


「太陽が水たまりを蒸発させるんだ。前に授業で習った」


「そっか…太陽ってすごいんだね!」


「うん! 太陽は俺たち生き物を元気にもしてくれるしな」


男の子が笑顔になると、女の子もつられて笑った。






(ああ……どうして…)



夢の中にいるような不思議な感覚から、蒼は現実に引き戻された。

周りの皆は、今から起こる恐怖に震え、千鶴と美津子はすがるように蒼を見ていた。