屋上から見下ろした景色は、また元の静かな砂漠だった。


「不気味なほど…静かだわ…」


「これから何が起きるのかな…」


蒼の鼻にポツンと水の雫が落ちた。


「雨?」


鼻の頭を触ると、少しザラっとして手の先が黒く汚れた。

すぐにバラバラと黒い水の粒が地上を埋め尽くし、一気にその粒の量も大きさも増した。


「このような雨…初めてだ」

フレンが手の平にたまる小さな泥水の水たまりを見て顔をしかめた。