「このままだと、この城もろとも砂漠の波に飲み込まれてしまう」

美津子の肩を抱くリョウが叫んだ。

「うわああっ!!」

城内にいた護衛たちが恐怖に叫びながら、意味もなく走り回る。

どこにも逃げ場所なんてない。

そして屋上にいた蒼たちも、どうすることもなくただ揺れに耐えていた。



「もう…ダメっ!!」


蒼の悲痛な叫びが空中に響いて、それから球に揺れが止まった。



「と、止まった…」


「どうなっているの?」