「王様はちゃんとこの国のために動こうとしていたのね!」

蒼はフレンの肩を叩いた。

「…母が死んですぐに王女を迎え入れてから…俺は王のことが信じられなくなっていた…呪いにかかっていた苦しみも理解せずに…情けない……」

「ねえ…兄さん…地球はとても平和で美しい星だったね…ねえ…アレオン国も地球のようにまた美しい星に戻らないかな…家族四人…力を合わせて頑張れないかな?」

「リョウ……」

フレンとリョウは手を取り合った。

この兄弟は本当の兄弟以上に、固い絆で結ばれていた。


その輝かしい二人の兄弟を見上げていた王女は、目を細めた。


リョウはその視線に気がついて、母のもとへしゃがみこんだ。


「僕は実の母を刺してしまった罪深い息子です。だから、王族を呪った母とともに罪を背負って生きていきたい。あの貧しかった頃、二人でどんな苦労も乗り越えてきただろう?」