「薬草だ…応急処置だがな」 溢れ出した血が止まり、傷口が徐々に小さくなっていく。 王女の顔色が戻り、呼吸が落ち着き始めた。 「ありがとうございます…アレオン王…」 満面の笑みを浮かべる蒼に反して、フレンは複雑な表情をしてアレオン王を見た。 「父上……」 「心配かけて済まなかったな…何もかも、私が全て悪いのだ…」 アレオン王は、フレンの頭を優しく撫でた。