「先ほど指輪の使者を取り込むときに、だいぶ魔力を使ったようだな。私を封じていた呪いの力も切れてしまったようだ」

「くっ……しかし…エルストイも…もう使えまい」

「お前の魔力も底をついたんだろ?」


フレンがじりっと王女の前に歩み寄る。


「こ、こんなことで計画が失敗など…なるものかあああっ!!」


王女はアレオン王に背を向け、扉の前に立ち尽くしていた美津子の背後にまわり、左腕を美津子の首に回した。

「みっつん!」

「おっと! これ以上近づくとこの子の生命はないよ!」

王女の腕に力が入ると、美津子は苦しさに息を詰まらせた。