俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

息苦しい空気と、押しつぶれそうな風が吹く、塔の頂上。

小さな石で積まれた王の城は、立派な建物とは言い難かった。

そんなもう一つの王の間と呼ばれた場所の一番奥にアレオン王は座っていた。



「アレオン王が…どうした?」


王女が口角を少しあげてくすりと笑った。


「アレオン王も兄さんの母君と同じ…呪いにかかっているんです」


あまりに悲惨な現実に、フレンは顔面蒼白になって腰を落とした。

「フレン……」

プライド高いフレンがここまで苦しめられている姿に、蒼は怒りと同時に深い悲しみが襲っていた。