フレンがすがるように呼びかけるが、そびえ立つほどの王座に腰をかけたまま王は返事をしない。

フレンと王との距離は遠く、どのような表情なのかも確認できない。


「アレオン王…いや、父上…もう私のことなどどうでもよいのですか?」


ピクリとも動かない。


「アレオン王! 私を…排除するように部下に命令したのは…本当にあなたなのですか?」


まるで人形と話しているようだ。


「アレオン王!!」


たまらず声を荒げたところに、王の側にもう一つ影を見つけた。


「これはこれは。グレイス様。地球からよくご無事で」