千鶴に説教してやろうと美津子が顔を覗き込むと、千鶴もどこか寂しそうに蒼を見ていた。

「私だって」

「ちづ…」

「私だって淋しいにゃ…でも…どうしようもないこと、だよ?」

美津子はつま先立ちして、千鶴の頭を撫でる。

「そうだね…みんなそう」

みんな…

みんな分かってる。


たった三年間しかない中学生活は、思ったよりもあっという間で

なのに

周りは速度を上げてもう次に進もうとしている。