「何か…様子…おかしくない?」

鉄格子の隙間から顔を出して辺りを見渡す。


「さっきまで見張ってた奴らがいない」


キョロキョロ視線を動かしていた千鶴の目に、意外な人の影を見つけた。


「!! あっ――」

千鶴の声に、蒼と美津子も鉄格子の側に駆け寄った。


その影は鉄格子についた鍵穴に鍵を差し込んだ。

扉が開いてから、三人は影の姿を改めて確認した。


「さあ早く!」


「どうして…あなたが!?」