俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

フレンは部屋の奥へ、三人は反対側の扉のほうへ引きずられる。


「フレン!」


「蒼……」


視線を交えたのは一瞬で、すぐに別々に引き離された。


「こら! もたもたせずに歩け!」

男たちに促されながら、三人は長く続く廊下を歩かされる。

美津子は何度もふらつきながら、意識を朦朧とさせていた。

「みっつん大丈夫?」

「はあ…はあ…もう…歩けない…」

切れ切れに返事をする美津子は、もう蒼のほうに顔を向けようとせずに下にうなだれていた。

「ちょっとあんたたち、少しは休ませにゃさい!」