俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

しかしその影は一つ二つと増え、いつの間にか大勢の影が四人を囲んだ。

「よくここまでたどり着いたな」

地球でみた男たちだった。

「アレオン王はここにはいない。残念だったな」

蒼が動こうとすると、男の一人が蒼の腕を掴んだ。

素早く捻られ背中のほうに腕を回される。


「いててっ!」

「蒼っ!」


駆け寄ろうとする美津子も千鶴も、男たちに掴まり羽交い絞めにされた。


「グレイス様はどうする?」


三人を手中に取られ、フレンは身動きできない。

「グレイス様は王のもとへ。残りの三人は牢へぶち込んでおけ」