俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「うわあ、おいしい! こんなの始めて!」

頬を真っ赤にさせて飛び跳ねるアン。

「お土産にチョコなんてセンスいいにゃん。けーくんめ!」

ニヤニヤしながら頬張る千鶴。

その言葉に蒼も笑みがこぼれて、みんなとは一味違ったほろ苦いチョコを噛み締めた。


スープは何度も断ってもアンが「チョコのお礼」と結局ご馳走になってしまった。


人参だけで作ったというスープは懐かしい味がした。


そのあとアンはテキパキと片付けを終え、寝る準備を始めた。

「もう寝る時間だったんだね。こんな時間にゴメンネ」

「いいの。久しぶりに沢山の人たちとご飯食べて幸せだった」

掛け布団を頭までかぶりながら、幼い笑顔を覗かせた。