俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「キ、キッチンに誰かいる!!」


その瞬間、足音で軋む音が不気味に響いた。


段々その音は近づいてくる。


「だっ、誰なの…!」


暗がりから蒼たちのいる光の満ちた部屋へと、足音の主は姿を表した。


「そちらこそ、どなた?」


幼女特有の鼻にかかった可愛らしい声。

蒼が期待していた視線よりはるかに下のほうで、金髪におダンコ頭のあどけない少女がきょとんとした顔で見上げていた。


「お、女の子?」

「お姉ちゃんたち、私の家に何か御用?」