俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「見つからなかったみたい」

「助かったわね」


歓喜に湧き上がる蒼たちを尻目に、フレンはどこか影を落とした。


(もう空も飛べなくなるくらい…アレオンの自然の崩壊が進んでいるのか)


フレンが考えこんでいるちょうど後ろのほうで、千鶴の叫び声が響いた。


「ちづ!?」

「何かあったか!」


家の奥からの悲鳴に慌てて駆け込むと、千鶴が部屋の奥の暗がりのほうを指差して固まっていた。