俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「今、ここに誰かいなかったか?」

「村人ではない様子だったが」


扉の隙間からそっと覗く。

黒の鎧の男たちが宙に浮いて、辺りを見回していた。


蒼たちは見つからないようにと祈りながら、息を潜めて気配を消す。


男たちは村中を飛び回り探していたが、奴らの一人が急に足に地をつけた。


「ちっ…まただ…! もうアレオンの風の力が弱くなってる」

「飛べなくなるのも時間の問題だ…もう王の元へ戻ろう」


地上に降りた男がぎこちなくまた空へと舞い上がると、慌てた様子で塔のほうへ飛んでいった。

男たちの姿が見えなくなると、四人はほうっと息を吐いた。