フレンは、ふっと視線を逸らして、窓から空を見上げた。

地球の空は、淀みなく、透き通る青が広がる。


「この星は美しい……まるで俺が小さいときのアレオンそのものだ」


懐かしい記憶をたどって、フレンが目を細めた。


「地球の者たちには悪いが、アレオンのために犠牲になってほしい」

「そんなこと出来るわけないにゃ!!」


千鶴がフレンの胸ぐらをぐっと掴んだ。


しかしフレンは怯むどころか、ぐっと顔を近づけて千鶴のあごにすっと手を伸ばした。