俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「けーくんが渡してほしいって」

名前を聞くだけで、息苦しくなるその人。

「昨日の試合来なかったから心配して家に来たらしいよ」

「えっ、し、知らなかった」

「病院行ってたんじゃない? 留守だったから帰ったって」


しかし会わなくて正解だったかもしれない、と蒼は思った。

こんな姿、絶対に見せられない。


蒼がチョコを手に取った瞬間、溶けかけの柔らかさで情けなく折れ曲がった。


「…あちゃあ…」

「この暑いのにチョコがお土産なんてナンセンスにゃ」

「なんでチョコなのかしら?」