「こんな部屋にいたら風邪こじらせるにゃ!」

ベッドに近づこうとすると、凍えるような冷気が吹き荒れて、思わず足がすくむ。

「ベッドに近づけにゃい!?」

「あお! 聞こえてる? あお!!」

異様な光景に、美津子が蒼の名を叫ぶ。

それでも、蒼はぴくりとも動かない。


「……あお……」

自分たちの前に壁を作る友だちの姿に、美津子は肩を落とした。

しかし自分を奮い立たせるように頷くと、美津子はカバンから何やら取り出した。


「あお……あのね…見てもらいたいものがあるの」