――――… ――……ミンミンミン 忙しないセミの声が、蒼の部屋にまで侵入してくる。 開け放しにしておいた窓から、ちょうど蒼の顔めがけて日差しがつついた。 「う、んん」 眩しさに耐え切れなくて、重たいまぶたをやっと上げた。 体が重い。 ベッドに吸い付いた体を、蒼は力ずくで剥がして上体を起こした。