川の流れは静かになって、また湿気を帯びた生ぬるい風が身体にまとわりつく。 次の言葉が見つからなくてお互い見つめあったまま固まった二人。 「晴れたな」 蒼はこくんと頷く。 「明日の試合は天気が良ければいいけど…俺の最後の晴れ舞台だから…なんて」 「試合観に行く…絶対!」 「朝9時からだぞ。寝坊すんなよ」 「するわけねーよ」 「あおは抜けてるからな」 啓太の笑顔が、ちょうど雲から顔を出した日差しに照らされて輝いた。