「なっつかしーな。ほら、昔ここで石投げして遊んだじゃん?」


「そう…だっけ」(忘れるわけない!!)


「あおのほうがいい肩してた。だから俺、野球は才能ないって分かった」


「そんな……私サッカーじゃ全然敵わなかった。昔からけーくん、サッカーだけは上手だったよ」


「だけは、なんて言うなよな!」


二人の中で笑いが起きて、心なしか雨が和らいだ。


「なーんか久々じゃね? 俺ら話すの。俺のこと避けてた?」


「避けるはずねーだろ!!!」


啓太に怒鳴った蒼は、あまりに近づきすぎたのを感じて、すぐに恥ずかしくなって「こほん」と咳払いして少し距離を置いた。