「あーあ! らしくねえなー!」 土に溜まった水たまりを蹴りながら啓太が叫んだ。 「…けーくん?」 「いつものあおみたくさあ、元気でいてくれないと!」 ぐいっと啓太が蒼に近づいた。 啓太の顔が、蒼の頭上にある。 もう見上げないと、啓太の顔が確認できないほどだ。 ここでこうやって 一緒に過ごす時間があったあの頃と違って。