二人で傘を並べて歩くと、ぎこちない距離感が生まれる。 親しげにくっつくこともできないし、あまり離れると雨音で話ができないし。 一歩前を進む啓太についていく。 雫がつく草を踏みつけながら、あの、指輪を拾った土手へとたどり着いた。 ここは、蒼と啓太の秘密基地だった。