ふらりと立ち上がったとき、足で水たまりを蹴る音が家のすぐ下で鳴った。


ひょいと蒼は顔を覗かせた。







「おっす」






懐かしくて、愛しい声。

蒼はもう夢の中なのかなと半信半疑で身を乗り出す。



「お前に話したいことがあって」

「わ、わたしに?」


部屋着のまま、蒼は外へと飛び出した。