クーラーの効いた部屋で、湿った制服が冷たく感じた。 「シャワー借りるねえ」 千鶴はひょいと台所を覗いて美津子に声を掛けると、そそくさとお風呂場へと向かった。 美津子の家は、小さいころからよく泊まりに来ていた。 美津子のお風呂場に入ると、昔と変わりないのが嬉しくて、千鶴の心がほっこりした。 ふと、小学校三年のとき、蒼が石鹸で足を滑らせて浴槽にダイブしたことを思い出した。 蒼と、美津子と、千鶴と。 三人できゃあきゃあ言いながらお風呂によく入ったものだ。