俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

リョウは優しく息を漏らしながらくすりと微笑む。

その様子が千鶴には気に入らなくて、千鶴は一人叫び散らす。

そして、美津子はただ頬を染めてリョウに見とれていた。




……――ぐーーーっ…





その空気が一変するような間の抜けた音が部屋中に響いた。


「おなか…すいた…にゃ」


一時間近くも外で蒼を待っていた千鶴の胃袋は空っぽだった。


「あー…はいはい。じゃあ何か作りましょうねえ」


美津子はブツブツと「今日から三人分の料理を私一人で作るのね」と文句を言いながら台所へと入っていった。