「ちょっと何よお」

美津子は必死に千鶴の袖を掴む。

「勝手に上がらないでってば。別に私んちじゃなくても――」

「こんな雨降ってるし、目の前にみっつんちだしにゃ」

「そうだけど…でもお」

「おっじゃましにゃーすっ☆」

いつの間にか靴を脱いで、とたとたと廊下を歩いていく。

「ええとお、みっつんの部屋は…」

「ちょちょちょ!」

千鶴の後ろでワタワタしている美津子。
 


「あら。千鶴ちゃん。いらっしゃい」