一つ一つの粒が生きているような雨の中、二人は見つめあったまま、ただ立っていた。


蒼の頬はもう雨のせいか、泣いているのか、分からなかった。


「わたし…指輪のおかげで…フレンと繋がってるんだって……勘違いしてた」


時折おどけるように笑う蒼は、泣き顔を見せまいと俯いたままだ。

俯いた視線の先には、左手の薬指の火傷跡。



……いつも……




「いつも、フレンから飛んでいなくなっちゃうから…今日は私から帰るね」


精一杯明るく振舞った声は、悲しげな瞳で一層辛く見えた。