俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

蒼の半径1メートルくらいが綺麗に丸く黒い円が出来て、蒼はようやく悲惨な光景に気がついた。


「こ、これって…」

その円の真ん中で、蒼は唖然と立ち尽くす。

そして、蒼を取り囲む風や、空がまるで苦しむように轟いた。


「まさか…私が……いや…指輪が…?」


前に蒼ママが、ここ最近の異常気象のことを話していた。

確かに、ちょうど指輪を手に入れたくらいから、暑さが増した気がした。




「…力を使うことで…自然が…壊れていく…」


改めてフレンの顔を蒼は覗いた。

フレンは相変わらず表情を変えず、ただ蒼を見ていた。