俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「俺では何も出来ない…出来なかった…俺ひとりじゃ…」

「……ひとり……?」


先ほどのフレンと男たちのやり取りを蒼は思い出した。

きっと彼らとフレンは仲間、だった。

しかし、どういうわけかフレンは一人別行動をしていて、敵視されるようになっている。



でも、蒼の推理はここまでしか出来ない。

フレンはまだ何も語ってくれないからだ。


「……フレン……」


納得なんてできるわけない。

でも、これ以上フレンに詰め寄るなんてこと、蒼には、もっと、できなかった。


これ以上、彼の心が自分から離れてほしくない、そう思ったからだ。