俺様天使とのキスまであと指輪一個分。

「きゃああああああっ! 近藤くぅぅぅん!」


グラウンドを囲む女子たちの声援が、また学校中に響き渡った。


近藤啓太は周りの騒音を気にすることなく、またボールに向かって走り出した。



豆粒がゴマ粒くらいに小さくなって消えていくまで

蒼はずっと

ずっと啓太を

見つめて――……



「なあに見とれて、る、のっ!」


法子が急に蒼の顔を覗き込んできた。