「木ってね、嵐が来ても津波が来ても倒れないの。強いのよ」
蒼は両手で小さな生命を優しく包み込んだ。
「そんな…たかが一本の木ではないか!」
「………分かってないな。自然の力って私たちの想像以上なんだよ」
蒼の表情はとても穏やかだ。
衝突の衝撃でボロボロになっているはずの蒼がフレンには妙に清々しく見えた。
「アレオン王をよろしく頼みますよ…」
床に伏したフレンの母が、父のことを口にしているときと同じ表情。
(父上はずっと母を裏切ってきたのに…どうして…)
母の手を握ったまま、フレンはいつも納得がいかなかった――…
蒼は両手で小さな生命を優しく包み込んだ。
「そんな…たかが一本の木ではないか!」
「………分かってないな。自然の力って私たちの想像以上なんだよ」
蒼の表情はとても穏やかだ。
衝突の衝撃でボロボロになっているはずの蒼がフレンには妙に清々しく見えた。
「アレオン王をよろしく頼みますよ…」
床に伏したフレンの母が、父のことを口にしているときと同じ表情。
(父上はずっと母を裏切ってきたのに…どうして…)
母の手を握ったまま、フレンはいつも納得がいかなかった――…


