「砂と風の合わせ技…さすがの指輪の使者も」


「いや、待て!」



煙が少しずつ引いていき視界が鮮明になってきた。



「あお…い?」


フレンが目を凝らす。

蒼のいた場所には、青々と茂った樫の木が宙に浮いていた。

無数の枝に絡みつくように、蒼が葉の間から顔を覗かせた。



「これは一体!?」


「私ついさっき偶然に森を歩たの。人のいないところに行きたくて。それでね、どんぐりを見つけてポケットに入れてたんだ」


蒼を守るように囲んでいた木は段々と小さくなり、元の小さなどんぐりの実になって蒼の両手にことんと落ちた。