悲鳴のような竜巻の轟にフレンが意識を取り戻した。


「こ……これは…」


見たこともない巨大な砂の化物が、フレンの目に飛び込んだ。


「………!!!!」


頑強な石壁がボロボロと簡単に剥がされ怪物に飲み込まれる。

そして、蒼も一緒に――…


「蒼ぃぃーーーーっ!!」




天高く伸びた竜巻は、蒼にたどり着くと、風を弱め空気と同化して消えていった。




辺りには、砂煙が黄色いカーテンのようにたち込めるだけだ。